【インベントリ事業】
船舶の有害物質のインベントリ事業
船舶の解撤の多くはインドやバングラディシュといった発展途上国で行われておりますが、安全衛生を無視した劣悪な労働環境で作業されているのも珍しくありません。当然労働災害も起り、頻繁に多くの人が犠牲となっております。
また、解体中の船舶からの流出油により、甚大な海洋汚染も起こっております。
近年、これらの国々の安全衛生、環境汚染が重大な国際問題となっています。このため、船舶のリサイクルにおける労働災害や環境汚染を最小限にするためのシップリサイクル条約が2009年に採択され、近い将来発効される見込みです。
その条約が発効されると解体リサイクル施設の基準が厳格化され、船舶においてインベントリの作成と備置きが義務化されます。 |
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■インベントリとは…
船上に存在する有害物質や廃棄物、貯蔵物の種類、量及び所在を記載したリストです。 |
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■インベントリの目的
・リサイクル施設における労働者の安全衛生の確保
・環境汚染の防止
・有害物質の代替物の開発、資源の有効利用の促進 |
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■シップリサイクル条約の概要
国際海事機構(IMO)において、シップリサイクル条約が採択されました(2009年香港)。
【条約の概要】
船舶のリサイクルにおける労働災害や環境汚染を最小限にするため、以下を義務化。
◎規制の対象 |
船舶・船舶リサイクル施設・リサイクル時の手続き/準備 |
◎船舶の要件 |
インベントリ(船舶内の有害物質一覧表)の作成と備置き、定期的検査 |
◎適用船舶 |
国際総トン500GT以上の商用船(寿命の間、国内航海のみに従事する船舶は除く) |
◎適用時期 |
新船/発効後すぐ、現存船/発行日より5年以内 |
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■日本におけるシップリサイクルの意義
・世界に長たる海運、造船国の使命 ・解体鉄は貴重なリサイクル資源 ・リサイクルを行うことによりCO2の大幅削減 ・雇用の確保(地域産業への貢献) |
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■当社のインベントリ事業参入の背景
当社は船舶解撤企業協議会や国交省のシップリサイクル検討会のメンバーとして、
船舶の解撤を安全や環境を優先させた手法の研究に取り組んできました。
この実績を生かし、インベントリ作成業務の事業化を図りました。
当社では現存船の図面調査や実船調査による知識の蓄積を重ね、インベントリ作成の専門家の育成に励んでおります。 |
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【インベントリ作成フロー】
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1.必要な情報の収集
船舶図書及び同型船、姉妹船情報 |
2.収集した情報の評価
蓄積されたデータベースにより有害物質含有項目のチェック |
3.目視/サンプリング計画書の作成
目視チェック、サンプリングチェック、潜在的含有(PCHM)に分類 |
4.船上での目視/サンプリングチェックの実施(実船調査)
目視/サンプリング計画書で支持された内容の検査 |
5.インベントリの作成
有害物質含有(Y)、潜在的含有(PCHM)物質を記載 |
6.鑑定
作成したインベントリについて日本海事協会にて鑑定
鑑定書を船主様に提出 |
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【実船調査】
船上での目視、サンプリングチェック状況 |